小林 茂に学ぶフィジカルコンピューティング に参加してきました
[小林茂に学ぶフィジカルコンピューティング | ロクナナワークショップ イベント企画](http://event.67.org/funnel2009/) |
以下レポートです. 今日の資料は月曜日には UP されるらしいので内容そのものはそちらにまかせて, 資料にない部分をレポートしたいと思います.
4/19 追記: 資料 UP されてます.
自己紹介
- 小林さんの自己紹介から.
- 問題意識として「人間とコンピュータとの間のインターフェイスの bps の低さ」を考えている.
- Funnel の狙いはデザイナーとエンジニアの橋渡しをうまく実現すること.
- Funnel 009 は今日〜月曜くらいまでにリリース予定.
山辺さんによる ActionScript x Funnel を使ったデモンストレーション
- Funnel の特徴はよくあるフィルタ処理をとても簡単に取り外しできるところ.
- スケッチは最初に有線の状態で作ってから無線にしていくアプローチが成功する. 最初から無線で作ろうとすると問題が起きたときに解決がとても難しい. また, プロトタイピングしているうちに無線にした方がよいと気づいてスケッチしなおすことも多い.
- Funnel サーバ 1 台につき, 1 種のツールキットだけ接続できる. 複数種のツールキットを同時に使う場合は 複数の Funnel サーバを起動すれば OK.
小林さんによるさまざまなデモ
- LED, スイッチ, 可変抵抗, SoftPot, 光センサー, 加速度センサー, コンパスなどを使ったデモ.
- 入力値をグラフ化するアプリケーションを使っていたけどあれはなんだろう? 質問すればよかった…
- FIO で Bluetooth ではなく ZigBee を選択したのは, Bluetooth でいろいろ苦い経験をしていたから. 実際に使ってみると Bluetooth は高機能だけど接続台数の問題などがでる. ZigBee の方が低機能だけど扱いやすい.
- レーザープリンターを使うとレーザープリンター病にかかる
- 3D プリンターを使うと 3D プリンター病にかかる
- ものづくり革命 パーソナル・ファブリケーションの夜明け はおすすめ
自分が質問したこと
最後の質問時間で「Funnel は抽象化の話だと思います. 言語, ハードウェア, フィルタ処理などを抽象化していくとどこまでやるのかという線引きが必要になってくると思います. そのあたりの考え方についてお聞かせください.」と質問してみました.
回答はおおむね以下のような話でした.
- いろいろサポートしていくのはとても大変.
- 扱う範囲が広いのですべてをテストしきれているわけじゃない.
- 最初のシンプルな実験をするには ruby が一番書きやすい. Funnel のユーザとしては ruby ではなく ActionScript ユーザが多いと思っていて一番重点をおいている.*1
- I2C をサポートするなどさらに扱う範囲が広がっている. 私(小林さん)の立ち位置としては I2C を取り扱うために必要となるベースの機能を提供するまでにして, その先にある各種ハードウェアの抽象化はどんどんユーザがやっていってくれることを期待している.
- Funnel を使ってどんどんレポートしてほしい. なにかやった人は連絡してくれるとうれしい.
この回答を受けて自分は以下のようなイメージを持ちました.
- Funnel にも Arduino の Playground のようなユーザがノウハウを蓄積していくような仕組みが必要(今はない?)
- そういう仕組みがあればもっと敷居がさがって普及する
- 普及していくことによって, デザイナーとエンジニアとの間の共通言語として使えるようになる
というわけで, 非常に内容の濃いセミナーでした. 参加してよかった.
参考
-
[小林茂に学ぶフィジカルコンピューティング ロクナナワークショップ イベント企画](http://event.67.org/funnel2009/) - セミナー資料
- ものづくり革命 パーソナル・ファブリケーションの夜明け
- http://funnel.cc/
- Arduino Playground - HomePage
*1:最初にでてきた「Funnel の狙いはデザイナーとエンジニアの橋渡しをうまく実現すること」にかかっている話だと思います