あけましておめでとうございますということで、2021 年をふりかえってみます。

2021 年ふりかえり

2020 年のふりかえり記事は こちら になります。

  • 正社員をやめて、フリーランスに
  • いろいろな会社様とお付き合いさせていただく中で様々学びを得た

といった様子でした。

2021 年はざっくりとした流れは以下のようなかたちでした。

  • 2021 年初頭に複数社での稼働から一社での稼働に集約していき、一社週 5 日コミットを継続するようにしました
  • IPO に向けた動きの経験を得ました
  • (実質)VPoE 的動きを 1 年とおしてやっていました
  • レガシーが極まったシステムと正面から対峙しつづけた 1 年でした

それぞれ見ていきたいと思います。

稼働社数の集約

2020 年は複数社並行して稼働するスタイルでやっていましたが、

  • コミットメントが高まりきらない点
  • コードを書くことを考えると稼働を集中させたほうがうまくいく点
  • タイミング的に契約終了しやすい案件が 2020 年の年末年始に重なっていた点

あたりを鑑みて一社に集約することにしました。

すべてのフリーランスエンジニアが一社に絞ったほうがうまくいきやすいとかではないと思いますが、 ぼくはマネジメントも含めた状態で動くのが最もパフォーマンスが高まるので絞ったほうがうまくいきやすいというのはあるかなとおもいます。

デメリットとしては単価等の交渉力が弱まるだったり、事業状況が悪化した際にもろとも厳しい状況になるのがイマイチというのはあります。(正社員と変わらないデメリットを持ってしまうイメージですね)

IPO

上記している一社にて、IPO に向けた動きがはじまっており、その対応をしていました。 これまでのキャリアの中でも IPO 関連の枝葉の業務の一部や、すでに上場後で IPO に向けた動きの中で経験するような業務設計だったりをやってはいましたが、実際に IPO 向けに設計・構築していくダイナミックさを経験できたのは良かったかなと思っています。 監査法人の方々の生の声を聞きながら個々の Issue に対応するのはなかなかいい経験だったかとおもっております。 一方で IPO のプロジェクトマネジメントが破綻気味だったかなというところでマネジメント力の厳しさ垣間見えた時期でもありました。 その点を強化・訓練するという意味でも IPO 向けの対応を社として経験していけたのはとてもよかったのではないかなと感じております。 IPO に向けた動きは今後も継続していくので引き続きというかんじです。

VPoE 的動き

業務委託という関係性ではありますが、採用、育成、組織設計、チームマネジメントなどの対応を継続していた 1 年でした。 やれること、やる価値の高いことは都度できていたかなという反面、事業状況の厳しさや、経営の意思決定フローには関わっていない(業務委託なので)という点からくる難しさを感じた 1 年でもありました。

採用面についての所感としては以下にまとめてみました。

  • 日本のソフトウェアエンジニアの層の二極化が進んでいる点(すでに高いレベルだった層は高止まり、低かった・これからがんばる層は低止まり)
    • これはレベルアップするための場が不足していることが原因で、事業サイズの小ささ、投資額の低さによる環境要因が大きいです。
  • 上記の影響で採用チャネルを増やしても打率がかわらない点(増やせば増やすほど運用コストも上がってしまうので短期のコスパが悪化する)
  • 全体の単価がめちゃくちゃ向上し続けている点(低い層の単価も上がっているので採用の難易度が本当に上がってしまっている)

育成面についての所感としては以下にまとめてみました。

  • 単純に基礎が足りていないエンジニアがふえたという背景
    • 10 年以上前であれば必然としてやる必要があったような、サーバー構築だったり C/C++ でのシステム構築だったりが不要になったという時代背景
    • ともない、コンピューターの基礎にふれる必要がなくなったという時代背景(これ自体はみんなが求めた進化と捉えています)
    • マーケティングとしてのサーバーレスやノーコード・ローコードによる時代、および、錯覚
    • エンジニアになれば楽に稼げる的なマーケティングや情報商材の影響
  • 乗り越えるためには切り捨てるべきを切り捨て、引き上げるべきを引き上げる、という話でしかないと考えており、すくなくともしっかり基礎を叩き込むというところはチャレンジしようということで、育成カリキュラムおよびプロセスを作成して運用し始めています
    • ジュニアを中間層まで引き上げることを目標としてカリキュラムをつくっており、目次レベルでは以下のようなリストになっています。
      • コンピューターの歴史
      • Web アプリケーション基礎
      • アルゴリズムとデータ構造
      • データベース基礎
      • プログラミング基礎
      • セキュリティ基礎
      • ソフトウェアエンジニアについて
    • 他、まだカリキュラムがしっかりできていないものとしては CI/CD, ブラウザ, Javascript などがあります。
    • これを 2 ヶ月ほど運用した結果としては、すでに大分成長のきざしが出てきていて大変よいと言えるかなと思っております。
      • コードの質が変化し始めている点、質問のアジャストができ始めている点がすでに見えています。
      • 単純に基礎が足りていない、特にインプットの質・量が足りていないという点に着目して、薄く広くインプットを浴びせているのが効いていそうです。

組織設計・チームマネジメントについての所感としては以下となります。

  • チームを拡大しても比例して生産性が拡大していく基礎づくりをしました。
    • ちゃんと中長期計画を立てて推進する
    • ちゃんとチームの状態をモニタリングしてふりかえる
    • ちゃんと上記の結果を定量・定性で経営に示す・チームに示す
    • 技術ディレクションちゃんとやる
    • SCRUM ちゃんとやる
    • 情報をフローではなくストックとして蓄積する
    • オペレーションをショットの対応で終わらせるのではなく、プロセスに落とし込む
    • 成果を点在させるのではなく連動させるように組織設計する
  • 上記のように、スタートアップのうまくいっていない開発組織を立て直す過程でよくある、「大きく動かせる状況」はあらかた動かしきった感触になっています。
    • 細かい改善はもちろんたくさんありますが。
    • ちなみに、VPoE のマネジメント技術の話はご相談いただければ対応させていただくことは可能です。
  • 一方、2021 年末時点で事業状況が思わしくなく、採用・投資で解決する手を打てない状況になっているため改善進捗が頓挫した年末になりました。
    • もう少し様子みるつもりですが…

レガシーなシステムとの対峙

詳しくは各月の様子を見ていただきたいのですが、かいつまむと以下の様な対応をおこなっていました。(僕個人が実際に作業したもののみ抜粋)

  • 既存インフラ面改善、コスト改善
  • 監視抜本改善
  • エラーマネジメント
  • セキュリティマネジメント
  • RDS から Aurora への移行
  • delayed_job 撤去 / Sidekiq 導入
  • あらゆる観点での全体的なパフォーマンス改善
  • コンテナアーキテクチャへの移行に向けた仕込みと物量対応
  • あらゆる観点での静的解析強化
  • 各種ガイドラインの作成・運用
  • CRM 対応と一部のデータマネジメント
  • 10 月の Let’s Encrypt 問題と紐づく様々な派生問題の対応
  • フロントエンド側技術面の中長期計画の策定および物量対応

2020 年まではシステムの状況が全然わからんみたいな感じだったので、まずはそれを「みえる・わかる」状態にしたのが最初でした。 その後は 5 月の負荷ピークをいかに乗り越えるかが前半戦の山場で、無事それを乗り越え完了。

後半戦はレガシーの瓦礫の山を永遠に物量対応していました。

2021 年年末の現在、正直なところ全く終わりが見えていないのですが、 瓦礫の山を掘り進める事自体はできていることと、 特にフロントエンド面が意外にも結構進捗見えてきているのが嬉しい誤算という結果だったかなと思っています。

一方で Let’s Encrypt 問題の対応と M1 Mac の対応を通して見えてきた未来としては、 「このレガシーの寿命が本当に尽きようとしている」というところがあり、なんとしてもやりきりたいという想いをあらたにしました。

最後に、事業状況的に開発への投資が拡大できなくなってしまっているところがあり、 物量対応しつづけなければ改善できないレガシーの改善が牛歩になってしまっている関係で未来が描けなくなってしまっているという状況で新年を迎えることになりました。 もう少し様子みますが今後に向けた打ち手を考えていかなればいけない 2022 年になりそうです。

各月の様子

もうすこし解像度の高い、毎月のふりかえりは各記事を参照していただく形にしたいとおもいます。 お時間ありましたらこちらもどうぞ。

おわりに

2021 年は、自分のこれまでの経験を基にしつつ出すべき成果は出せたんじゃないかなというふりかえりでした。 新しい学びもたくさんありましたし、技術的にも様々な観点で蓄積が進んで良かったと思っています。 一方で業務委託という関わり方だとどうしても届かない点があり、歯がゆいなぁという想いが蓄積した 1 年だったかなと感じています。

2022 年は何かしらターニングポイントを迎えると予測できるのでしっかり準備して望んでいきたいと思います。

おわり